丘の上の村より
このあいだの夏のインド旅行で最後に訪れたのがマンドゥー。デカン高原やや西よりの台地の上にある村で、イスラムの遺跡が点在しているが、風景はもっと素晴らしい。特に雨季は緑が鮮やかで、特に夕暮れなど、夢のような景色が丘に沿って続いている。そんな中を歩いていると、静かに葉っぱを吸っている男が二人。僕を見つけると、「どう?一緒に吸わないか」と誘ってくる。「まだ写真を撮るから」と遠慮したが、うち一人がなかなか絵になるので写真を撮らせてもらった。彼は服装は普通だが、一応サドゥーなのだという。ここが気に入って住み着いているらしい。まあ、聖地でもないから袈裟衣も必要ないということか。誰もが、ぶらっと自然に生きていける空気がこの小さな村にはただよっている。先住民の比率もかなり多いし、いろんな人々が雑居する中で、好きなようにやれば、といった空気が出来上がったのかな、と思う。しかも自然は神々しいまでに美しく雄大、ちまちま働く必要もなさそうだ。インドでは珍しく酒飲みが多い村だが、確かに酒でも飲むなり葉っぱでも吸うなりして、夕暮れをぼ~っと過ごすのがよく似合っている。一瞬、夕暮れの中を走り回って写真を撮っている自分がバカのように思えたが、まあそんなこともないかとあとで思い直した。夕暮れを堪能したのは一緒なわけだし…、写真を見てまた楽しめる。
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