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写真はガンガー源流への中継地点ウッタルカーシー。二度の旅のなかで四度訪れた。
ヨーガのふるさとリシケシから聖地ガンゴートリーまでの直行便バスというのはほとんどなくて、往復とも、必然的にウッタルカーシー泊まりとなる。
ウッタルカーシーは旅の目的地ではなく、どこまでいっても中継地点でしかないが、この街で過ごしていた時間というのは意外に貴重だった、と今になって思うことがある。これから源流に行くぞ、と思って街を歩いているときもあれば、巡礼を終えて、ようやく平地が近づいてきた安心感に包まれ、山をぼんやり眺めているときもあったが、それはこの街に宿泊する他の巡礼たちも同じで、ウッタルカーシーには、そんな巡礼たちのさまざまな気が忙しく交錯していて、それがこの街の魅力にもなっていた。
昨日、ある人からメールをもらった。ガンガー源流近くで、サドゥ本にも登場した片足のサドゥ、サントスナートババと出会った、ということで、彼の写真も添付してあった。久しぶりに見るサントスナートババは、髪やひげに白いものがずいぶんと増えていて、彼のその後の旅を考え、ちょっと切ない気分にもなった。いろいろと苦労があったのだろうか。サントスナートババは、その後、一人で仙境タポヴァンへ向かった、ということであったが、大丈夫だったのだろうか。
三年半前のタポヴァンへの旅では、サントスナートババはあんなに満ち足りた表情をしていたはずだが、想像するに、彼のそういう気分は、そんなに長続きはしなかった。サントスナートババが相棒アマルナートババと離れたことは次の年に知ったが、それによって、サントスナートババは再び孤独な旅暮らしに舞い戻ってしまうのではないか、という気がしていたが、実際、そうなのかもしれない。一人でタポヴァン、というのがとても気になる。孤独な苦行者サドゥにとってはそれは当たり前のことだから、心配するのもおかしいが、また会いに行きたいな、と思う。そのときは、彼と一緒に、どこかのヒマラヤをふらついているはずのアマルナートババ捜索の旅、というのもいいかもしれない。サドゥといえども人間。相棒の一人ぐらいはいていいはずだ(違う気持ちもも少しあるが…)。
旅の中継地点のことを書こうと思ったが、話が少し逸れてしまった。いや、これもこれも中継地点の話か。
サントスナートババの話が長くなったので、写真もアップしておこう。右がサントスナートババ、左がアマルナートババ。場所はタポヴァンまであと一時間のアマルガンガー沿い。
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