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雪の日に…

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前回の記事「聖地の条件」で、聖地ギルナールの背後にはおそらくジャングルが続いているようだ、といったことを書いたが、実際に地図を見ると、そうではなかった。外輪山に囲まれたカルデラ地帯に突起した山が聳え立つ様は、日本では阿蘇山などに見られる地形だ。詳しくはまたいろいろ調べてみたい。

ところで一昨日は待望の雪が降った。前日から計画を立て、早朝5時過ぎの電車で奥多摩を目指したが、トラブルが発生してしまった。架線の凍結で電車が動かない。なんとか拝島まで行ったが、そこで停車し、「しばらくのあいだお待ちください」のアナウンスが何度も流れる。状況が分からないので改札まで行き駅員の人に状況を聞いた。

「架線が凍結していますので、太陽が出てですね、溶けるまでは動けませんね」

と、のんきな答え。それならさっさとそうアナウンスしろよ、と苛立ちながらも、すぐに時計を確認して停車時間を計算する。太陽が出るまであと20分、それからしばらくして架線の凍結が改善され、確認作業が行われたとして、電車が動き出すのは早くてあと1時間。答えはひとつ。僕はさっさと改札を抜け、そのまま雪道を小走りに多摩川を目指す。拝島の多摩川ならよく知っている。片一方は今工事中のはずだから、対岸に行けばいい。

拝島で降りたのは成功だった。普段でも素晴らしい河原が雪で真っ白になっていて、幻想的だ。人はいない。というか、いつもいない。ほとんど誰も行かない場所だから。

たくさん写真も撮った。手応えもあった。咄嗟の判断に対応できてよかった、と何度も思ったが、いつもの幸せな気分はなく、苛立ちは増すばかり。

いつもの場所までたどりついたところで朝の幻想的な雰囲気が消えた。さて戻らなければ、というわけで、40分ちょっとかけて、駅にたどりつく。すると改札は人であふれかえっていた。早朝乗ってきた電車はすでに出発した模様だが、次の電車はすぐに来た。そして青梅に到着し、乗り換えた電車はすぐに奥多摩に向けて出発する。出来すぎだ…。

電車で半分寝ながら降りる駅を考える。太陽が出てきたわけだから雪はどんどん溶けていくはず。とすると、なるべく標高の高いところを目指せばいいか。それで終点奥多摩まで行き、そこから歩いて奥多摩湖を目指す。途中、知ってる渓谷で谷間に降りたいが、可能かどうか。でもあっさり降りれた。周囲の森には、一段と雪が積もっていて、木々から雨のように雪が落ちてくるのが大変だったが、こんな雪国を旅するのはいったい何年ぶりだろう。最近では、どうも記憶にない。ということは、あのネパールか、と思ったとたんに、また気分が落ち込む。

トンネルを抜けてようやく奥多摩湖にたどりついた。気分展開に、一軒だけある食堂に入ってソバを食べる。それから夕暮れに向けてダムの上を歩いていると、雲間から太陽が出てきて雪山を美しく照らし出した。今日は夕陽も見れるかな、と期待したが、また雲が出てきてしまった。気分的にも今日はあまり暗くなるまでここにいたくない。と思ってバス停に戻ると、バスは行ったばかりで、なんと40分も待たなければいけない。まあ仕方ない。でも、暗いし寒いしで、またうんざりするような気分が舞い戻ってきそうだ。

結局帰宅したのは7時半。15時間の、いささか長めの旅になった。ところで、この日、苛立ったり、落ち込んだりしていたのは、やはりインドと旅が関係している。いつものことだが気分はいつも以上に最悪だ。ただ、最悪でも鬱になったりすることはない。どんな気分であっても、それを受け止めてくれる場所がある。じつはそれが書きたいが為に今回は長々と書いてきたのだが、すべて多摩川のおかげだ。多摩川のなかでも僕が好んで出かけるような場所はだいたいインドに似ているので、かえって焦燥感に駆られることも多いが、全長138キロのこの流れが僕にとっては非常に大きな存在になった。ありがたい話だ。オームナマッシヴァヤ。

(写真は、奥多摩行きの電車の中から)

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コメント

素晴らしき戦いっぷりです。

Om Namah Shivaya

投稿: Hana | 2010.02.05 09:14

もうすぐクンブメーラというのも憂鬱の原因です。3年前のあの戦場みたいな光景を思い出すと、もっと戦いたいというか…。

Om Namah Shivaya

投稿: 柴田 | 2010.02.06 02:44

Om Shanti Shanti Shanti He

投稿: gracia | 2010.02.07 03:42

Om Shantiという言葉、久しぶりに思い出しました。
どんなときも、多摩川の写真自体はシャンティーですよ。

投稿: 柴田 | 2010.02.08 00:18

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