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暗い橋の上で…

Hasinoue003

ブログをはじめて4年たったが、写真がどんどん暗くなっている。真昼間に撮った写真などはほとんどなくて、夕方、夜、そして暗いどこかの堂内、などなど。

暗い写真を撮りはじめたのはたしか7、8年前ぐらいから。

ある雑誌にインド写真を持ち込んだところ、「写真が明るくて、つまらない」と言われてかなりのショックを受けた。写真も旅もちょっとマンネリ化していた時期だったので、心を見透かされたというか、自分でもなんだかつまらない、という気持ちがあったからなおさらショックだった。

それで、その年の終わりから、俄然、暗い写真を撮りまくった。京都のあやしい聖地、ヨーロッパの夜景、バンコック中華街の場末、さらに北部インドのラダックでは、密教寺院の堂内に三脚を持ち込んで写真を撮った。

数年、暗い写真を撮って、それからまた、太陽の下(?)をうろうろ、そして3年半前にサドゥを撮りはじめて完全に方向性が定まった。まるで地下から這い出てきたようなサドゥは、真昼間に撮っても、人影がなぜかあやしい。

今は東京で、撮りかたはサドゥのときとはまた違うが、求める光というか、雰囲気というか、そういうのはあまり変わらないし、変えられない。真昼間なんて、どうやって撮ったらいいのかよく分からず、戸惑うぐらい。困るのはブログの更新で、「また暗い写真だなあ…」なんて思いながら、でも明るい写真なんて嫌だし、と、いつもセレクトを迷ってしまう。

今回こんな記事を書いてみたのは、前回の記事にいただいた三人の方のコメントに刺激を受けたからで、またそれ以外にもいろいろある。情報の透明化が叫ばれる昨今だが、何もかもを白日の下にさらしてしまうと、世の中はだんだんつまらなくなるのでは、と思っている。

今回の写真は昨日撮ったもの。満月は日没とともに昇る、ということを数年前に知って、それを見に、河原に行った。ちなみに、インドでは昨日、プシュカルメーラが終わり、ビハールの荒地では、ソンプールメーラが始まったはずだ。ソンプールメーラはだいぶ前に行ったが、会場内にいくつかあった見世物小屋に入らなかったのが、今では心残りである。

そういうのを撮っていれば、写真がつまらない、なんて言われなかっただろう…。


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コメント

はじめまして・・・hidekiと申します、、、たまたまここに来ました、素晴らしい写真ですね・・・またのんびり見に来ます、よろしくお願いいたします。。。

投稿: hideki | 2008.11.15 21:35

夕方から日没にかけてというのは何だか人が妙に生々しくみえたり 自然の変化が迫って見えてくるような感覚がありますよね

柴田さんの写真には特有の澄んだ空気を感じますね どの写真も

満月の写真ありがとうございました

最近思ったんですが私がサドゥに興味を持った原点は 父が抽象画を描くときの眼力とエネルギーみたいなものを彷彿とさせるからではないかと(笑)この人は何を見てるんだろう 何を考えてるんだろう 謎でした 
不思議ですね最近バババッグ作っていたらわかったんですよ

今度実家に帰ったら父の写真でも撮って柴田さんに送ります 被写体としてきっとバイキンマンに匹敵します(笑)

投稿: kanako | 2008.11.15 22:20

> hidekiさん

コメントいただきありがとうございます。HP少し拝見しました。山岳写真、なんだか懐かしいです。まだ写真をやってない頃、山渓などで写真をよく見ていました。

> kanakoさん

日没から夜の手前までがとくに好きな時間です。マジックアワーというのかな。写真用語のようですが。ほんと不思議な時間です。

抽象画家で「バイキンマンに匹敵」、というと、…ピカソかな、と思ってしまいました(笑)。写真、楽しみにしています。

「眼力とエネルギー」、写真もそうですね。…というか、そうでなくては、といつも思っています。
撮影中はあまり考えないですね。無心にモノを見て、ほとんど無意識に手元を操作して、撮るだけ。それが一番いい状態のようです。最近は、カメラを持って歩き出したら、ふっとそんな状態に入れるような気がします。
カメラという道具がそうさせるのでは、と思ったりもします(サドゥはチラム…??)。

何かを作り出すのはおもしろいですね。

投稿: 柴田 | 2008.11.17 00:23

テキスト、コメント、読ませて頂いていると、満月は懐深く、様々な事象を陰喩している様に思えてきますね。全否定でも、全肯定でもなく…。
どんなものでも、感覚的につまらないものと、おもしろいものの違いは一体何に因るのか。ということには非常に興味が有ります。もやもやと、考えつづけたいテーマです。でも確かに、その答えについては意識よりも、身体の方がもう知っているような気もします(笑)

投稿: のりのりの | 2008.11.17 14:59

サドウ良さそうですねぇ・・・
一冊ほしいですねぇ。。。
インドとヨガ面白そうです・・・

投稿: hideki | 2008.11.17 18:34

> のりのりのさん

「全否定でも、全肯定でもなく…」、…写真を撮っていると、ふとそんな言葉が浮かんだりします。意味ははっきりとは分からなかったりするのですが…。

満月はなんともいえない気分になりますね。

> 意識よりも、身体の方がもう知っているような気もします(笑)

それはそう思います。カメラはそれを反芻するための道具という気もします。道具を持ってないと、何もできないなあ、と落ち着かない気分になったりします(笑)

> hidekiさん

サドゥ、おもしろいですよ。
山とも関係が深くて、登山家のハシリかな、と思ったりもします。


投稿: 柴田 | 2008.11.18 01:32

一冊サイン入りで売っていただけませんか???
内容は、ブログから私のホームページにリンクしてメール下されば幸いですがいかがでしょう・・・
川からジャンプする姿も凄く絵になりますねぇ。。。
よろしくお願いいたします。。。
それから私のブログにリンクつけてもよろしいでしょうか???

投稿: hideki | 2008.11.18 18:46

> 川からジャンプする姿

何かと思ったら、あの大物サドゥの写真ですね(笑)
サイン入り、とのお話ですが、サドゥが主役の本に、下手くそなサインがする意味がないような気がなんとなくしますがいかがでしょう。それでも、ということでしたら、メールいただけますか。
サドゥ本は最近は本屋でもほとんど見かけなくなってしまいましたが、アマゾン等のネットショップでは販売しています。
リンクは歓迎です。よろしくお願いします。

投稿: 柴田 | 2008.11.19 22:19

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