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石川武志さんの写真展「ヒジュラ インド 第三の性」

Hajime001

月曜日、石川武志さんのヒジュラの写真展に行ってきた。

ヒジュラ、説明が難しいが、簡単に言えば、インドのオカマである。姿かたちはタイのミスターレディーのようなもので、女装している(インドだからサリーを着ている)。もちろん同性愛者だが、いわゆる、ゲイやホモではなく、性同一性障害の男性が別の性に生まれ変わった姿がヒジュラ、ということになるのか。ちょっと分からないが、この、別の性、というのは、女性、ということではない。なぜなら、インド社会ではそれは認められていない。しかし、その代わりに、アウトカーストのヒジュラとして生きることは、十二分に認められている、ということらしい(石川さんの説明を適当に解釈して書いたので間違っているかもしれない…)。

アウトカーストというと、いわゆる被差別民、と思われるかもしれないが、インドではそれだけではなく、純粋に、社会の外、という意味でもあり、つまり、神様や動物、自然、などと同格、ということでもある。ヒジュラは赤線地帯にも見られるが、それはむしろ落ちぶれた姿であり、本来の仕事は、祭りや結婚式、子供の誕生、といった祝い事に出かけて、踊りなどを披露したりする、巫女のような役割を果たしてきた。つまり、ヒジュラは神の使いであった。彼らは一種の宗教集団でもあり、ファミリーのなかにはグル(師匠)がいて、弟子がいる、ということらしい。

以上、ちょっと真面目に書いてみたが、そうはいっても、ヒジュラがかぎりなく怪しい存在であるのは間違いない。彼らは長距離列車などにも出没し、気持ち悪い顔と姿で男に迫る。迫られた男は逃げまどい、金を払って許しを請うたりする。たまには美人もいるようだが、それは非常に少数派だ。

さて、そんなヒジュラだが、このヒジュラを石川さんはじつに27年間(たしか)にもわたって追いかけ撮影してきた。82年にはじめて、95年にはヒジュラの本を出したが、その後も10年以上にわたってずっとヒジュラに密着してきた。

なぜこんなにもヒジュラにこだわるのか、理解できるはずもないから質問もしていないが、ちなみに石川さん自体は同性愛者ではない。これはご本人の弁だからもちろん本当かどうかは分からないが、僕のみたところ、まあ、そうなんだろうと思う。

その石川さんがヒジュラ以前から撮っていたのがサドゥである。83年には「ヨーギ」という写真展も行っている。サドゥについても、継続して現在まで撮り続けているようで、サドゥ写真としては大先輩にあたるわけだ。
(ご本人は、「あれぐらい刺激が強いものでないと、撮る気がしない」と言っていた)

ところで石川さんとはじめて会ったのは一年半前。サドゥの大集会「クンブメーラ」が行われたアラハバード。バススタンド横の宿のマネージャーから突然呼ばれて電話口に出ると、日本人から部屋の空き状況と予約を頼まれた。空きを確かめ名前を聞くと、「イシカワタケシの名前で」と答える。面識はなかったが、石川さんがサドゥの写真を撮っていることは知っていたのですぐに分かった。思わず口に出た言葉が、

「あの…、もしかしてヒジュラの石川さんですか?」

ヒジュラの写真展は11月1日まで行われている。場所も東京有楽町だから近場の人なら気軽に見にいけるはずなのだが、場所自体が問題である。日本外国特派員協会、というところのラウンジで、しかも会員制のカフェ(バー??)だ。それでも見るのは大丈夫のようだが、会員以外はお茶も飲めないし、ともかく敷居が高い。そのあたりのことを石川さんに聞いてみたが、「電話番号を書いておいて。誰かから連絡があったら都合をつけて会場に行くから」というなんともアバウトな答え。まあ、ヒジュラを撮っているような人だから、だれから電話がきたところで問題ないのか…。

しかし、他人の電話番号を書くというのはさすがに気が引ける。電話番号自体は石川さんのブログに書いているので、興味のある人はそちらからどうぞ。以下、石川さんのブログです。

http://ishikawa77.exblog.jp/
(「お台場通信」という名の、一見、ヒジュラとは何の関係もなさそうな、でもひらいてびっくりのオフィシャルブログ)

http://ishikawa50.exblog.jp/
(こちらはまさしくヒジュラのブログ。カテゴリーの番外編を開くと、ヒジュラといちゃつく若かりし日の石川さんがあらわれる)

長くなったが、上の写真だが、ヒジュラとは何の関係もない。ヒジュラの写真もあったが、非常に気味の悪い人だったので、やめた。ただ、以前、ヒジュラについて記事を書いた。こちらは美人まではいかないが、全然マシだ。

http://chaichai.moe-nifty.com/chaichaiblog/2005/01/post_2.html

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コメント

柴田さんの写真いいですね。砂嵐でしょうか?消えていくのか?表れてくるのか?人の姿がおぼろげながら、どこか力強く感じます。
石川武志さんの写真展、未知の世界を覗いてみたく思いましたが、何だか特別な場所のようですね。まずは本屋さんで探して、石川さんの世界を拝見しようと思います。

投稿: chin | 2008.10.09 10:01

この写真は霧の発生した早朝のガンジス川河原で撮ったものです。視界が2、3メートルだったので、人が現れては消えていく、といった感じでした。
ヒジュラの本は書店ではほとんど見かけない、と石川さんが言っていたような記憶があります。でもブログのほうでもたくさん写真も見れますしね。

chin さんの猫の写真、とてもいいですね。

投稿: 柴田 | 2008.10.09 21:55

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