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「セクシー・セディ」なサドゥたち

Shiva777

映像作家のこいでさんが、彼のブログに「インドのサドゥ 那智の熊楠」という文章を載せ、サドゥ本のこともあわせて紹介していただいている。テーマはタントラ思想。インド神秘主義が到達した最高地点であるが、言い換えれば、もはやにっちもさっちもいかないような、人間世界のどん詰まり。言葉で表現しようと思えば、これ以上難解な世界は他にないだろう。

ここのところ、すっかり思想的な本から遠ざかっている僕の頭では、こいでさんのテキストの、その意味を追うことがなかなか大変な作業であった。しかしそこに書かれているテーマはサドゥに直結している。そのサドゥを追いかけ、インドで遊びほうけていた結果、アホになってしまったというのは、ちょっと笑えない話のようでもあるが、僕がすっかりアホになってしまったのもまた、やはりアホなサドゥと遊んでいたからだ。もちろんサドゥといってもいろいろだが、アホは掃いて捨てるほどいる。当然、人格者もいれば博識な人もいる。しかし僕は、これ以上のアホはいない、というサドゥを意識して探してもいた。アホも行き着くところ天才である。サドゥ本でいえば、キチュリワラ氏が当てはまる(サドゥ本で探してみてください。写真三点あります)。

こいでさんは、そうしたサドゥ本の写真を「無味無臭な存在感」と表現し、また、ジョンレノンの造語を引用して、「セクシー・セディ」と位置づけ、話を展開していく。「セクシー・セディ」の「セディ」は「サドゥ」をもじったもの。その事情については「インドのサドゥ 那智の熊楠」の冒頭に紹介されているので、ぜひご覧いただきたい。

「無味無臭な存在感」と「セクシー・セディ」は一見、正反対の言葉のようだが、じつはそんなこともない。でも説明するのは難しいし、ちょっと面倒だ。「インドのサドゥ 那智の熊楠」では、そのあたりのことを「頼りなさげなのに力強くもあり、性すらも超越した存在」とも書いている。「性すらも超越した存在」というのは、少し下品(ではないのだが…)な言葉に置き換えると、「両性具有的」といえるかもしれない。

前回の記事のコメントで、ちびまるさんが「最初の方の右側のページに載っている白塗りで瞑想しているサドゥが綺麗だなぁと先ず思いました」と書いてくれたが、こういう感想はとてもうれしい。サドゥが綺麗だから僕はそれを撮りたいと思ったし、サドゥはまさしく「セクシー・セディ」である。サドゥ以上に「セクシー・セディ」な人が世界にいるのかどうか。

ところで「那智の熊楠」こと南方熊楠は、「日本を代表する民俗学者」なんて説明が意味をなさないほどの「セクシー・セディ」である。南方熊楠の本をじつは一冊たりとも読んでいないが、「そんなのどうだっていいんじゃないの」と思えるほど、その写真に魅了されている。生きていたら写真を撮りに行きたいぐらいだ。南方熊楠の熊野での様子も記事に少し書かれているので、ぜひ一読を。

ちなみに、今の日本でそれぐらい魅力のある男がいるかといえば、たとえば有名人であれば、パッと思い浮かぶのは朝青龍だろうか。彼を見るたびに、「大物サドゥだな~」と思ってしまう。ただし、さすがに「両性具有的な美」とまでは言わないが。やはり「大物サドゥ」、「横綱」である。

今回の記事は、こいでさんの記事に触発され、その返信の意味も兼ねて書いたものです。タントラ思想については一生をかけて、ゆっくりと、そしてまた、機会があればサドゥと遊びつつ、考えていきたいと思っています(とはいえ、chaichaiの記事はタントラ的だとは思います…)。

それと、まったく関係のないような話ですが、サドゥ本のなかに「ナンディーバルティ」というサドゥが分散して四点登場します。彼は見るたびに印象が変わる不思議なサドゥです。何を考えているのかはまったく不明ですが。題して「ナンディバルティを探せ…」ということで、サドゥ本をお持ちの方は、キチュリワラ氏とともに、ぜひ探して楽しんでみてください。

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今回の写真はタントラの神シヴァ。アラハバードサンガムにて。

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コメント

ご紹介ありがとうございます!自分の中でまだ整理しきれていない面もあって、ちょっと困惑気味の文章になってしまいましたが(熊楠については文献引用も多いし)、これからサドゥとラジャスタンの楽士たちとの関係性を、自分なりに紐解いてみたいとも思っています。一見間逆の存在ですが、なんだか繋がっているように思えてしまうんですよ。

クンブメーラのナンディバルティ氏は他の写真に比べて妙に優しく見えるのが不思議です。粥屋のキチュリワラ氏は二枚は見つけたのですが(クンブメーラとヒマラヤのドクロの首飾り)、あとは分かりませんでした。サドゥってきちんと見ると髪型とか、アクセサリーってみんな結構似ているんですね。菩提樹のアクセサリーはお洒落です。最近の僕のお気に入りの一枚はクンブメーラで狂喜するナガババの写真。いつ見ても楽しいです。

あとでメール出しますね。

投稿: こいで | 2008.01.28 09:31

いえいえこちらこそ、サドゥ本を紹介いただきありがとうございます。「困惑気味の文章」と謙遜されていますが、あれほど書ける人はそうそういないと思いますよ。マハリシ、ジョンレノン、サドゥ、熊楠が展開していくのが非常に興味深かったです。サドゥと楽師も楽しみにしています。

粥屋のキチュリワラ氏、え~~、探してみてください(笑)。意外な場所です。クンブメーラのナンディヴァルティは、一年のあいだに僕と三度も会ったので、「こいつと俺は何かある」と思ったのかもしれませんね。その後も、ヒマラヤで会ったある日本人に、「シバタ、シバタ」と連呼していたようです(笑)。彼の行動パターンはだいたい把握しているので、機会があれば探して、一緒に旅でも、なんて思ってます。大変そうですが…。

投稿: 柴田 | 2008.01.28 18:27

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