オリッサの旅
インドのアスカ(オリッサ州)に関する4回連載記事をすべてアップした。
前回に続いて、登場する場所をグーグルマップで特定してみたい。幸いにも、この地域はかなり詳細なところまで拡大できるので、なんだか楽しい。
まずは「インドのアスカを探しに(3)」で登場したあやしげな寺から。
http://maps.google.co.jp/maps?ie=UTF8&hl=ja&q=&ll=19.610189,84.647931&spn=0.003659,0.004989&t=h&z=18&om=1
ただし、記憶に不確実な部分があるから、推定場所ということになる。
次は「インドのアスカを探しに(4)最終章」のダムダムポーリ。これは間違いない。三方を白い壁に囲まれた場所がその中心。
http://maps.google.co.jp/maps?ie=UTF8&hl=ja&q=&ll=19.603554,84.652528&spn=0.003659,0.004989&t=h&z=18&om=1
第三章のあやしげな寺から最終章のダムダムポーリは、川をはさんでいるから行くのは距離はあったが、地図で見ると意外なほど近くて驚いた。
それにしてもグーグルマップの力は計り知れない。何の情報もないアスカを手探りで歩いたその地の様子が、これほどはっきり見えることに、複雑な感情もまじる。
さて今回の写真は、アスカに行った次の日に訪れたある村。村の広場の中心に寺があって、別になんていうこともないのだが、雰囲気がよかった。
オリッサには不思議な魅力があるが、そこにはいつも、懐かしさがある。椰子の木が多いので日本とよく似ているとはいわないが、それでも、夕暮れなどの風景を見ていると、ふとこみ上げてくるような郷愁を感じるときが何度もあった。
オリッサに郷愁のようなものを感じる一番の理由は寺院の佇まいかもしれない。どこの村にも鎮守の森があり、そこに隠れるように寺がある。また、道の角などにも小さな寺があり、とくに夜、車で田舎道を走ると、小さくライトアップされた寺がいくつも現れ、不思議な気分がする。よく知らないが、昔の日本にもそんな世界が広がっていたのではないだろうか。
ちなみにオリッサでは米食が一般的で、しかも普通に魚を食べる(ベンガルも共通だが…)。人々はシャイで物静か、村に入り込んでも子供が大騒ぎするようなことはあまりない。
また、ある人から聞いた話では、オリッサは少し離れたネパールと、何かの特別な関係があるらしい。それが何かはよく分からないようだが、ある情報では、一部の先住民が、まるで飛び地のように、同じ言語を持っているという。それがオリッサとネパールにおける主要な関係なのかどうかは不明。さらに深い関係がありそうだが、その起源は、かなり昔のことなのだろう。
オリッサに感じる懐かしさは、そういわれれば、ネパールに感じる懐かしさにも通じる。
オリッサもネパールもまた行きたい。行きたいところばかりで非常に困っている。
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コメント
>オリッサは少し離れたネパールと、何かの特別な関係があるらしい
グルカ兵のベースキャンプがあるとかでしょうか。ジャルスグラに。
もっと文化的な関係でしょうか?
言語的には、オリヤー語、ベンガル語、ネパール語は結構似通っていますが
投稿: 五河屋 | 2007.08.13 01:53
オリッサ在住の人から聞いたところでは、オリッサのプリーとネパールの王室が密接な関係を持っているという話でした。ただ詳細は分からない、ということでした。
言語学的なことでは、以前、何かの記事で読んだことですが、記事の出所が今となっては不明です。ただ、記憶するところでは、上に書いたように、飛び地のように、ネパールとオリッサの一部の地域で同じ言語が存在しているという話でした。記事には地図もあったと記憶していますが、ネパール側では、タライ平原に近い場所(もちろん非常にせまい範囲です)を特定していた記憶があります。普通に思いつくのは、ネパールのサタール族とインド側のサンタル族との関連です。ただ、それですとあまりにも一般的ですし、べつにオリッサに限った話でもないので、もっと特別な、つまり、一見あまり関係のなさそうな民族どおしが同じ言語を持っている、といったことかと想像しています。記事を読んだ当時は、まだそれほど関心がなかったこともあり、素通りしてしまったのが残念ですが。
投稿: 柴田 | 2007.08.13 13:23