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ここにもサドゥーが…

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昔、ヴァラナシのビシュワナート寺院に入ったことがある。通称黄金寺院と呼ばれ、インドでもっとも格式ある寺院である。こうした寺のいくつかがそうであるように、この寺にも外国人は入れない。でも入れないと聞くと入りたくなるのも人情で、いろいろ工夫した結果、何とか入ることが出来た。

それでどうだったかといえば、別にどうってこともなかった。敷地内には入れたが、たぶん、ご本尊までは見れなかったように記憶している。

あれから十五年がたち、ヒンドゥーへの想いは増すばかりだが、大寺院のご本尊に会いたい、といった気持ちは逆になくなった。というのも、大寺院の神殿というのは、まず例外なく人でごった返し、もちろん写真も撮れないし、おまけにちょっとのぞきこんでいると、あの赤や黄色の粉を額いっぱいにつけられてしまう。つまり、落ち着いてご本尊と向き合えるような環境ではない。

というしだいで、神殿に入れる場所であっても、あえて中に入らないことがほとんどである。なかには数時間待ちのような寺もあり、正直言って時間の無駄である。それに、神殿に入れなくても会いたいものにはじつは会える。

というわけで、前口上が長くなったが、前々回に続いてマドゥライのミナークシ寺院。やはり中心の神殿には入れないが、その周辺で十分楽しめる。

前々回のコメント欄で、ある像のことが話題になり、それを紹介しようと思ったが、その像の持つ意味がまだよく分からない。いや、ずっと分からないかもしれないが、とりあえずそれは次回以降にまわして、今回は上の三枚の写真。

左の写真はちょっとおいておいて、まず真ん中。小さなお堂のなかに、写真では見づらいが、シヴァリンガがまつられている。写真が曲がっているのは、あまりにも暗いので、カメラを地面に押し付け、ノーファインダーで撮ったためだ。お祈りしている人の後ろで、外人がガタガタやっていたにもかかわらず、写真の女性は延々と祈り続けていた。

取材していないから分からないが、彼女は神殿にも立ち寄らず、ただただ、このシヴァリンガにお参りするためだけに、ミナークシを訪れたのかもしれない。

右の写真はゾウの神様ガネーシャ。奥にはやはりシヴァリンガがまつられている。
このガネーシャ、灰かなにかがうずたかく積もって、ちょっと異様な雰囲気を漂わしている。太鼓腹で陽気な神様といったイメージが消え、ちょっと恐ろしい感じだ。放っておくと、どんどん恐ろしさがつのって、気づくと、掃除しようとする人さえいなくなるかもしれない。まあ、本来の野生の姿に回帰しようということなのか。

さて、長くなってしまったが、ようやく左端。

体つきがちょっと奇妙な感じもするが、長い髪からすると、これはやはりサドゥーじゃないかと思われる。もしかすると女サドゥーかもしれないが。

南インドではあまりサドゥーの姿は見かけないが、いないわけではない。昔はもっといたのかもしれないし、北インドとはまたちょっと違った生態を持っていたとも想像できる。まだいるかもしれないから、今度、あらためて探してみよう。

サドゥー像にも赤い粉があちこちについている。これはやはり、一部の信者が、「おっ、これは」と思って、ベタベタやった結果である。サドゥー像を一心に信仰している姿は残念ながら見られなかったが…。

三つの神像を紹介したが、とくに最後のサドゥーは、たぶん、神殿内部では見られない。これは正式の神ではない、ということで、神殿周辺の適当な場所にまつられる。だから僕のように、あまり正式でない神様が好みの人間にとっては、逆に神殿周辺がおもしろかったりする。

ちなみに正式な神というのはバラモン(ブラーミン、パンデット)が守る神様で、反対に正式でない神様は、そこら辺の村人とか、下手をすると流れ者、それに当然、サドゥーがその守り主におさまることもある。日本でいえば、そこら辺のお稲荷さんやお地蔵さんだと思えば間違いない。

それにしても、ミナークシ寺院はすごい。神殿に入れなくてもいくらでも楽しめる。まだまだ撮ったので、続きはまた今度。

それにしても長くなってしまい、疲れた。


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コメント

すごい独特な雰囲気の寺院ですね。
一枚目の写真の石造物上部の横ラインが、
日本の板碑の二条線を連想して、おおっ!と思ってしまいました(^_^.)
髪の毛?がボワ~ってなってるところが、ただならぬパワーを感じます。
二枚目、臨場感ありますね~。
中のリンガは、こちらもイメージするしかないので、増して畏敬の念を感じます。
三枚目のガネーシャのヌメっとしたかんじは、おびんずる様みたいと思いました。
長い時を経て座り続け、参拝者の願いを聞いてるんですものね。
まるで、生きているようです。
日本のお寺も良いですが、やっぱりインドのお寺にも行きたくなりました。

投稿: いつめ | 2007.05.18 00:16

外観は派手なお寺なんですが、中に入ると胎内くぐりのような雰囲気がずっと続きます。あやしげな神様があちこちに点在して、まるでお化け屋敷のような世界ですね。
「髪の毛?がボワ~ってなってるところ」はあやしさとパワーの象徴ですね。日本でもなまはげとか能とか、そういう世界がたくさんあります。
長い髪をザンバラに下ろしているサドゥーとかって、すごく格好いいです。
二枚目の写真、じつはシヴァリンガがちょこっと見えています(笑)
三枚目もそうですが、古びて近寄りがたくなった神像をわざわざ選んで、特別なお願いをしにくる人が結構いるようです。言い知れない力を感じるのだと思います。
こういうところは何時間いても飽きないですね。
ほかの寺もゆっくり見たいな。
いつめさんも是非インドのお寺へ!


投稿: 柴田 | 2007.05.18 03:34

 寺院おもしろそうですね(実はほとんど行かなかったのです。撮影機器を持ってると別途請求されるのが癪だったので・・・)。でも行ってみたくなりましたよ。礼拝している女性とガネーシャ像が同じに見えます(笑)。

 今ちょっとぼんやり考えているのですが、デカン高原に点在するカーリー・ドゥルガー信仰の村々を訪れてみたいなぁと思ってます。なんとなく排他的で怖そうなので実際行けるのかわかりませんが、小さな村って素泊まりするの難しいんでしょうかね(村の寺院に泊まることは出来ますか)。

投稿: コイデ | 2007.05.19 10:13

>デカン高原に点在するカーリー・ドゥルガー信仰の村々

おそろしく奥の深いテーマですね~(笑)いや~、すごく関心があります。というか、それに近いことはちょこちょこ始めてはいるのですが、今のところ暗中模索です。ずっとそうだと思いますが(笑)

希望的観測ですが、怖そうな村ほど意外に開放的な気もします。ただ、カーリー・ドゥルガー系となると、山賊系もありそうです。そういった人たちほど、こちらの態度しだいなんだと思います。いずれにしても、優秀なガイドは必要ですね。お互い機材もありますし。現実的にはガイド自体、ほとんどいないんですけどね~。

寺に宿泊というのは非常に一般的だと思います。
宿泊施設を持っている寺もありますし、なにしろ村の心臓部ですからね。

投稿: 柴田 | 2007.05.19 13:37

ミーナクシ寺院は広くて、確かに「楽しめる」って感じですよね。象はいるし、お土産物屋さんもあるし、驚いたのが、池の周りの電飾! シヴァやガネーシャに混じって、なぜかヘリコプターなんかもあった記憶が(笑)。
クンブメーラのこの写真でも遠くに電飾が見えますが、これもは神様電飾ではないんですか? 結構大きい感じがしますが…  http://chaichai.moe-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/sangam01.jpg

例の柱の生き物、本や神様カードで、写っている/描かれているのを見つけました。気になりますね。

投稿: えつ | 2007.05.23 02:24

そうですね。あらためていい寺だな~って思いました。
ヘリコプターですか。早くて強いものはみんな神様にしてしまうのかな(笑)

お~すごい風景だ、と思ったら、自分で撮ったクンブメーラでした(笑)神様であふれていますよ。でも、タミルのほうが電飾好きのような記憶があります。それにしても、光物が好きな人たちですね(笑)

例の生き物調べなければ。何か分かりましたか?見れば見るほど不思議な生き物です。

投稿: 柴田 | 2007.05.23 12:30

結構普通なんですね、電飾。
最初見た時かなり驚いて、笑いました。

柱については、まだ調査開始してません!
どう調べていいかよくわからないので、気長に(笑)

投稿: えつ | 2007.05.24 01:49

お祭りに行くとド派手な電飾が見られますよ。
ミナークシあたりは毎日祭りのようなものですね。

例の生き物、結構難しそうです。
手持ちの本には載ってないようですね。
奇妙な神様、いっぱいですからね(笑)

投稿: 柴田 | 2007.05.24 14:53

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