« スイスから帰国しました | トップページ | 山岳鉄道と展望台の国 »

青い山

Aoiyama01昨日からようやくスイスの写真の整理を始めた。約八千枚の写真をいちいち開いては選択し、画像処理を施し名前をつけて保存、これの繰り返しである。終わるまでに一週間ほどはかかりそうだ。単純作業であり結構大変だが、写真を撮る人間にとっては楽しい時間でもある。旅の緊張感からも重い荷物からも開放され、旅の余韻にゆっくりと浸れる。

ところで、近所はお盆のためか、すっかり静まり返っている。東京郊外の住宅街では、たいていの家は里帰りか旅行中、ということだろう。夕方や夜に外へ出ると、人も少なく、なんだか不気味なほどである。近くにはヒグラシが鳴き続ける大きな森があって、そのあたりが特に怖い。中には散歩道が通っているが、特に夕方以降は殺気さえ感じるほどだ。あんなところで肝試しなんてしたら、行方不明者が出そうだ。

今回の山の写真はスイスではなくインドの山である。ヒマラヤ四大聖地の一つ、バドリナートの背後にそびえるニールカンタというその山の名前はシヴァ神の伝説にちなんだもので、「青い喉」を意味するが、そのことは今は書かない。ただ、ニールカンタの「ニール」、「青」というのが気にかかった。

タイトルに「青い山」とつけたが、これはさわやかな青ではなく、冥界の青である。この山のふもとに住むサドゥーたちに会うため、何度もその辺をうろついたが、山の印象は非常に不気味で、いつも感じていたのは「冥界の青」だった。その息吹の只中に住んでいるためか、この辺のサドゥーたちの雰囲気も荒涼としていた。たとえるなら、三途の川の番人「奪衣婆(だつえば)」である。もっと悪く言えば、まるで山賊のようでもあった。近くに軍の駐屯地があったので安心はしていたが、それがなかったら近寄らなかったかもしれない。

ところで、サドゥーの小屋の近くに、ある登山隊の慰霊碑があった。そこに記されているのは何人かの日本人名。ニールカンタに登ろうとして遭難したのだそうだ。あるインド人の話では、ニールカンタはいまだ未登頂であるとか。登山自体が許可されているかどうかは不明だが、何しろシヴァの山である。しかも「冥界の山」。不気味である。この山に挑戦するということ自体、ある意味、死にに行くようなものではないか、と。

「お盆」ということで今回はこんな話題になった。なんといってもインドは「お盆」発祥の地。精霊流しも健在である。ただ、いわゆる「お盆」というのがあるのかどうかは知らない。

次回以降はスイスの話もしてみたい。

|

« スイスから帰国しました | トップページ | 山岳鉄道と展望台の国 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65972/11434449

この記事へのトラックバック一覧です: 青い山:

« スイスから帰国しました | トップページ | 山岳鉄道と展望台の国 »