地図にない旅…(ネパール山の旅11)

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外人のいないトレッキングコースを歩くのが趣味だが、そこには情報というものがほとんどない。あるのはネパール全土のアバウトな地図とガイドのいいかげんな記憶だけである。最辺境になってしまうと地図さえも役に立たない。道の情報も村の情報も、何もない。

2005年の旅では地図が重宝した。一応、街道とおおまかな村の名前を地図で確認できたし、「今日は谷間の道か」とか「今日はたぶん、約1000メートルの登りかな」ぐらいは判別できた。でもそれだけである。あとは村人からの適当な情報とガイドのつたない記憶だけ…。

まるで昔話のような世界だが、これが一般的なネパールの姿である。どんな風景と出会えるかは行ってみないことには分からない。どんな人が住んでいるのかも分からない。夢があるかといえば確かに夢はある。

上の風景写真だが、谷間の奥正面の、丘というか山みたいな場所から写真を撮っている場所までまっすぐ歩いて、たぶん三日ぐらい(村人の足で二日)。実際は、写真上、右手の山をうろつき、そこで病気をしたりしていたので、なんと一週間もかかってしまった。

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山村の飯(ネパール山の旅10)

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ネパール村めぐりは楽しいことばかりではない。辛いことも結構ある。峠の坂道を登るたびに、もう嫌だ!と思うのは毎度のことだし、有名なトレッキングコースを外れると、まずトイレというものがない。場所によっては全然問題ないが、夜などは非常に困る(一番怖いのは犬!)。
それから、昔、山を歩いたときは、寝袋に蚤が住み着き、眠れぬ夜を何日も過ごした。2005年の旅でも何度かやられた。
そして最後に、なんといっても飯が辛い。

飯が辛いといっても、歩くコースによってである。メインのトレッキングコースは何の問題もない。問題ないどころか、場所によっては普通にうまいパスタなんかも食べられる。有名なのがアンナプルナのジョムソン街道。別名アップルパイ街道と呼ばれ、カトマンドゥー、ポカラほどでないにしろ、たとえば、インド、ヴァラナシのツーリストレストランよりはうまい。

しかしながら、僕が好んで歩くような街道は外人がまずいないような辺境地帯であり、飯のレベルががっくりと落ちてしまう。基本的にはご飯とカレー一品、よくて二品で終わりである。それがうまければ構わないが、残念ながら、半分ぐらいは、「えっ」という味である。

一日、二日なら別に問題ないが、これが一週間、二週間と続くと、結構キツイ。街道によっては美味い宿屋(茶屋)が続くこともあるが、2005年の旅ではハズレが多かった。

上の写真も、焼きすぎの卵がついているだけで、あとは……。卵ももちろん特注だから、普通はカレー汁一品でご飯を食べる。この街道は、アチャール(漬物)もほとんどなかった。

ある大きめの村でモモ屋を見つけた。モモとは、チベット風蒸餃子のこと。

「ここで夕飯を食いたい!」と主張したが、気の弱いガイド(というかポーター)に、「宿屋(…というか民家)の面子もあるので、宿屋で食べてください」と泣きつかれて、結局その日もカレー。

ちなみにネパールのカレー定食は現地名ダルバート。ダルは豆のカレー、バートはご飯。まったくそのままである。

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夕暮れの山村(ネパール山の旅9)

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写真を見て、今すぐここに行きたい、と思ってしまった。

こういう世界にあまりに長くいたから、こればかりはどうしようもない。ヒマラヤ界隈を延べ一年半以上うろついていたことは前にも書いたが、それ以外に、日本の山の中で、これまた、延べ二年以上住んでいた(働いていた)。山特有の、ちょっと青い夕暮れの感じがなんとも言えず懐かしい。

生まれも育ちも山のほうだし、これは郷愁ということか。

もう一つのブログ「ニルカンタ・カフェ」も、更新を再開しています。ぜひご覧ください。

http://chaichai.moe-nifty.com/chaiiberia/

それから、本家chaichaiの「インド旅の雑学」に「猿の神様ハヌマーン」を追加しました。興味のある方はぜひ。

http://chaichai.campur.com/indozatugaku/hanuman001.html


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ヒマラヤ…(ネパール山の旅8)

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久しぶりにネパールシリーズ。

どこの村だったか?名前は忘れたが、ここで一泊した。朝起きて、村を出ると、その背後にヒマラヤが輝いていた。遠くから見るヒマラヤもいいものだ。このときは、ヒマラヤから遠ざかるように歩いたが、だんだんと近づいていくのはもっと楽しい。

今、ヒマラヤに関する奇妙な本を読んでいる。これまでちょっと敬遠していた世界を描いた本だが、「ヒマラヤ」が舞台なので読み始めたら、意外なほどおもしろい。まだ読み終わっていないので、本の紹介はまたいずれ。

それにしても、ヒマラヤ行きたい。ちょっと離れてみて、あらためてヒマラヤが好きだということに気が付いた。いや、好きというだけではなく、これは運命だと思ったりもする。

イエティとユキヒョウを探しにヒマラヤへ

それと、ヒマラヤのふもとのジャングルで隠れ家を探したい…なんてことを昔から思っていた。たとえば、こんな感じの…

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雨のあと(ネパール山の旅7)

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久しぶりに「ネパール山の旅」シリーズから。

なんてこともない写真なんだけど、雨のあとはいいものだね。

……ところで、もう一つのブログ「ニルカンタ・カフェ」がずっとストップしている。ブログ二つは少々しんどい、というのもあるし、昔のしかも似たような写真を一から並べてギャラリー風に、という趣旨自体にちょっと無理があったかも。しかもインドとは関係ないヨーロッパだし…。

今は面倒なのでしばらくは手を付けないが、たぶん、HPのほうで、スペイン、ポルトガルをまとめてフォトギャラリーにしてしまったほうがいいような気がしている。デザインとかを凝らなければすぐ作れるかも。ちょっとまた考えてみます。

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レンズの向こうに…(ネパール山の旅6)

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インド、ネパールを交互ぐらいに紹介していくのが今の気分にあっている。

今日はネパール。何気ないスナップ。フィルムらしいやさしい描写。浅いピントの向こうに山の村の空気が流れる。

それにしても、旅先でいったい何人の人たちにレンズを向けてきたのか?…数千人、数万人、よく分らない。でも飽きない。疲れたと思うことはあっても、飽きたと思うことはこれまでただの一度もなかった。

自分では意識してないけど、かなり人好きなのかなあ。よく分らん。自分のことは分らないことだらけ。まあ、そんなことはどっちでもいいことなんだけどね。それより、写真ってやっぱりおもしろいな。

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晴天日陰(ネパール山の旅5)

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デジタルカメラで、オートのまま撮ると、上の写真はもっと温かみのある、黄色がかった色になる。カメラ側が勝手に色調節(この場合は晴天日陰モードに)するわけだが、僕はそれが嫌いで、たいていは晴天モードのまま写真を撮る。晴天モードで撮ると、完璧とはいかないまでも、フィルムのような色が出る。これを基準にして、フィルム時代の色を思い出しながらレタッチして色を仕上げていく。

上の写真自体はフィルムで撮った。村の晴天日陰がそのまま写っている。真昼だったので、上からの太陽光がうまく部屋に回らず、青っぽい感じの色になった。でも、これがたぶん、本当に近い色。山の村には、たしかにこんな時間があった。色を変えてしまうと、旅の記憶から、この時間がすっぽりと抜け落ちてしまう。

ところで、ネパール山の旅シリーズは、基本的には雑誌用にセレクトした写真以外からその都度、選んでアップしている。編集でも、さらにセレクトしたはずだから、二度にわたって落選したものだ。いわば二浪組みたいなものだが、それでも気になる写真がたくさん出てくる。

写真の良し悪しは難しい。セレクトする時期、気分、目的などによってもぜんぜん違ってきてしまい、困惑することもあるが、それがまた写真のおもしろさ。いろいろ見ていると、ほんと不思議な気分になる。

ついでにもう一枚写真をアップ。村の定期市で食べたモモ(蒸餃子のようなもの)。肉が入っているような、あるいは入っていないような微妙な味で、しかも皮がもっさりしていて、これを街で食べたら、たぶんまずいだろうなあ、と思うような代物だったが、毎日カレーとインスタントヌードルばかり食べていたので、ひどくうまかった。

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祭のあとの月(ネパール山の旅4)

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ふたたびネパール。

ある村外れの丘の上から眺めた風景。山また山、そして月。何日か前に満月の祭があったから、これは欠けていく月だ。祭のあとの月…。

最近は、もう一つのブログでも丘からの写真をアップしている。丘はいいね。最果てって感じで。

子供の頃、丘で遊ぶことが多かったので、今でも丘があればすぐ丘に行きたくなる。丘がいいのは、そこに大人がいないから。とくにネパールのような山だらけの国では、わざわざ丘に来て、山を眺めよう、なんていう大人はほとんどいない。遊んでいるのは子供だけで、ときどき、変わり者の旅行者がやってくるだけ。文化とか産業とかっていう余計なものが何一つないのが旅行者にとっては気持ちいい。

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峠の茶屋(ネパール山の旅3)

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ネパール村めぐりの楽しみは何といっても峠の茶屋。必死に坂道を登りながらその先にあるはずの峠の茶屋に思いをはせる。それが期待以上に良いところだったら、思いきってそこに泊まってしまおうか、なんて思うが、ガイドから、「もう少し歩くべきでは…」などと言われてしまう。

上の写真はある茶屋でのひとこま。座っている男はマガル族のポーター。何十キロもある荷物を担いで、グループで山を旅している。そのリーダーだ。このグループとは、あちこちの茶屋で顔をあわせて仲良くなった。茶屋のおかみさんは昼飯支度の真っ最中。客間は別にあるが、僕はいつものように調理場へ入り込む。

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この写真はまた別のポーターグループか。茶屋の客は何といっても彼らポーターだ。金がなくても茶屋に来て、一番安いブラックティーなどを飲んで、一休みしたら、また荷物を背負って歩き出す。それにしても、何か、すべてがシンプルだな。シンプルな生活とは、つまり、余計なことが何もない生活のこと。窓から入ってくる光がいい感じ。

茶屋から外に出ると、山々が霧にまかれようとしていた。子供が適当に遊んでいる。

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新しいブログ「ニルカンタ・カフェ」もどうぞよろしく。


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人生は山にあり…(ネパール山の旅2)

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(写真をクリックすると大きくなります)

夕暮れの光と山々を背景として、家族が静かに写真に撮られるのを待っている。シャッターを押さずにずっと眺めていたくなるような光景だ。

こんなところで、静かに生まれて生きて死んでいくのか、と思うと、こわいというより不思議な気がする。山の村はほんと静か。ニワトリの鳴き声だけが、村に響きわたる。だからニワトリの鳴き声を聞くたびにネパールの村を思い出す。

左三人の女性がよく似ている。右の女の子はお父さんに似ている。お父さんは典型的な山の男。

ちなみにこの地は標高2500メートル。一番近い自動車道まで、村人の足で最速4日。そこからバスで12時間ほど走れば首都カトマンドゥー。

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山の村の茶屋(ネパール山の旅1)

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(写真をクリックすると大きくなります)

前回、前々回と、二つのカテゴリーを作った。しかし、とくに「サドゥな話」については、やはり今書くべきではない、という思いがあり、しばらく封印することにしたい。今は、今後の写真作りを意識した記事を書いていきたい、ということです。二転三転してすいません。

というわけで、いろいろ考えた結果、しばらくは「2005年秋ネパールの旅」というテーマで続けていきたいと思っています。

この旅では、東ネパールの山村を四週間近くかけて歩き回った。これまで何度も長いトレッキングしたが(まだ若い頃…)、これが最長記録である。旅の後半は、外国人がまったくいない辺境地帯。宿はないから泊まりは民家、トイレはジャングル、食事は最悪、その上、二日に一回は峠越え。…最後の最後で体がオーバーヒートをおこして、二日間寝込んだりもした。

そんな、いろいろあった2005年ネパールの旅から、気の向くままに写真を紹介していきたい。

今回の写真。昼飯を食べるために立ち寄った山の村の茶屋。茶屋というよりほとんど民家だが…。食べるものは、定食ダルバート(ご飯と豆カレーと野菜カレー)か、時間がなければインスタントヌードル。どうせ夜は定食なので、ヌードルをよく頼んだ。結構うまい。というより、他にたいして食べ物がない…。

写真を撮るにはかなりの悪条件だったが、やはりフィルムの力か、真っ白な部分にも何かが宿っているような気がする。デジタルだったらただの真っ白だ。

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