猿の神様ハヌマーン(インドの顔11)
今日は猿の神様ハヌマーン、叙事詩「ラーマヤーナ」では、ラーマの忠実な部下として、ランカー島に誘拐されたシーター救出に獅子奮迅の活躍をする。「ラーマヤーナ」はその後、東南アジア、さらには日本にも伝わった。「桃太郎」がそうである。そういえば「見猿・言わ猿・聞か猿」の三猿もインドで見たことがある。ところで、インドにはハヌマーンモンキーと呼ばれる猿がいる。尻尾の長い大きな猿で、見た目は恐いが、性格は比較的おだやかだ。静かにたたずんでいる姿はまるで聖人のようであり、その姿が猿の神様ハヌマーンへと進化したのだろうか。それに反して、いわゆるニホンザルに近い猿もいるが、こちらは要注意だ。食べ物をもってぶらぶらしていると、襲われて食べ物を奪われてしまう。それはさておき、ハヌマーンは今もインドで大人気の神様だ。何年か前もハヌマーンを主役とする連続ドラマを放映していた。これは日本でいう「大河ドラマ」のようなもの。日本だと「源平の合戦」や「戦国時代」が舞台になるところだが、インドでは「神々の時代」がそれにとってかわる。何万年、あるいは何億年もかなたの「神々の時代」こそ、インド人にとっての真の黄金時代というわけでなのだ。
(追記)西遊記の孫悟空もまた中国版ハヌマーンだ。
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(追記2)コメントをいただいたチョムプーさんのブログ「ココナツ・カフェ」に、タイバージョンのハヌマーン物語が紹介されています。
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コメント
はじめまして、タイの子供の本のブログを作っているチョムプーと申します。タイといえば、インドの文化の影響を強くうけているので、インドで検索していて、こちらを訪問させていただきました。ハヌマーンについての、びっくりする情報があったので、私のほうにトラックバックさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
私もバックナンバーで「アジアの文化」のカテゴリーの中で、「おさるさん」という題で、ハヌマーンについて紹介したのです。
どうぞお体に気をつけて、これからも楽しみに読ませていただきます。
投稿: チョムプー | 2005.01.28 15:07
チョムプーさん、はじめまして。
タイに「ラーマヤーナ」が伝わったのは知っていたのですが、「ラーマキエン」の物語はほとんど知りませんでした。それで、こちらからもリンクさせていただきました(トラックバックはよく分からないので…)。「ラーマヤーナ」と「ラーマキエン」少しづつ話が変わっているようでおもしろいですね。東南アジアのことも勉強しないと…。それでは、これからもよろしくお願いします。
投稿: 柴田 | 2005.01.28 19:07