« インド不思議絵 | トップページ | 東京散歩写真3(冬の空) »

風水について その三(風水散歩)

DSC_0075aa師走の街というのは、ある意味で美しく、そして悲しいものでもある。最近はどこに行ってもクリスマスのイルミネーションが輝いているが、一歩離れると、寒々とした路地が闇につづいている。普段はあまり気にならないものが、奇妙に見えすぎるような感じがする。そこに見えるのは、もしかすると自分自身の姿なのかもしれない…。

という訳で、今日は「風水について その三」である。今回もまず書いておきたいのは、僕は風水についてはまったくの素人であるということ。本一冊ちゃんと読んでいない。でも、街を歩き、感じることは出来るはずで、だから無責任を承知で、今回も思ったままに書いてみたい。今回のテーマは「風水散歩」である。

街をぶらぶらするのが好きだが場所はどこでもいいほうだ。繁華街もおもしろいが、むしろ住宅街みたいな場所に興味がある。昼間も歩くが、夕暮れから夜にかけてもおもしろい。

散歩していると、歩く先々でいろんな空気を感じるものだ。居心地のいい場所もあるが、以外とそうではない場所が多い。極端にいえば、角を一つ曲がるたびに「気」の性質が違うのだ。

そういう意味で、東京は興味深い街である。どうしてかというと、坂が多い。「こんなところにこんな坂が…」、と驚くことが多いが、「気」を観察しながら歩く人間にとっては好都合だ。平坦な街というのは「気」もまた平坦であったりするから、つまらない。反対に、坂道が多い、地形の変化が大きな街は、「気」の変化も大きい。

例えば夜道を歩いていたりして、不意に、まるで奈落の底へ落ちるような坂を見ると、ちょっと寒気がする。また、どこまでもつづいている長い坂道もまた、なんとなくシュールである。歩いていくうちにふと別世界に入ってしまいそうな…。

坂と並んで興味深いのが辻、つまり分かれ道である。繁華街の大きな交差点なんかも、ちょっと離れてみていると、抒情もあるし見飽きない。辻というのも、風水的には特別の意味を持つ。何しろ人や物の「気」がそこに集中し、ときには淀み、そして火花を散らしている。いらいらして事故も起こりやすい。

インドあたりで辻に立つと、あらゆるパワーがガンガンうるさいほどに迫ってくるが、そこはお国柄で、日本は表面上は結構静かだ。でもそれは建前のようなもの、静かに耳をすますとさまざまな声が聞こえてくる。楽しい声もあるが、それだけではない。怒り、怨念、嫉妬などなど、…生霊と死霊が飛び交うまるで魔界のような世界だ。

辻といえば、辻占というのもある。交差点などで目をつぶり、最初(三番目?)に聞こえてきた言葉が、あなたの悩みに対するお告げである、というわけだ(辻占はなんとチベットにもあるらしい)。でも、とくに辻占でなくても占い師というのは結構辻にいるもの、…例えば上野公園では、ちょうど公園から歩道へ出る階段あたり(坂)に、何人かの占い師がいたような記憶がある。辻に渦巻いている人間のさまざまな感情を拾い上げて世相を占う、というのは考えてみればあたりまえのことでもある。

インドでもそうだが、だだっ広い道というのは疲れるだけだ。つまり刺激がない。坂道、辻、その他にも、例えば神社、寺、路地、鉄道駅、線路、高架下、大きな木、陸橋、…そんなものがあると散歩も飽きない。道を歩いていて、ふっととなりを走り去るバスの乗客を見るだけでも、そそられるものがある。

それにしても風水的な目で街を見ていると、本当にこの世は不思議だ、と思うばかりだ。僕たちは一人一人がもっと自我を持ち、理性にしたがって生きているように思っていたが、本当はそうではないのかもしれない。「気」によって生かされている。いや生きるも死ぬも、「気」次第である。「場の空気が読めない人」という表現があるが、たったそれだけのことで何も悪くない人が悪口を言われ、その挙句、ときにはリストラの対象にされてしまうかもしれない。切なく悲しい話である。

ところで、僕が風水に興味を持ち始めてのは、もしかすると小学校時代のことかもしれない。もちろん風水という言葉はまだ知るはずもなかった。ただ、あの当時、僕は突然地図の魅力にはまり、勉強そっちのけで白地図を描いては空想の旅に遊んでいた。僕は等高線を慎重に確認しながら地図の中で山を伝い、川を下った。そんなとき、もっとも大切なのが「気」の流れ、それが読めなければ地図なんてつまらないものだ。

結局、地図しか勉強しなかったので、すっかり世間の事情に疎くなってしまったが、旅行者としては役立っている。あの頃、地図勉強の成果を試したくて、いろいろ暗い谷間とかを実際に歩いていたのが今は夢のようだが、考えて見ると、あの頃の夢をまだ捨て去ったわけもない。写真をやっていなかったら、羅盤を抱えて山や谷をふらつく風水師になっていたかもしれない。

だから考えてみれば、「風水散歩」は今に始まったことではない。子供の頃から、知らない街を歩くたびになんとなく「気」を観察しながら歩いていたのだ。それが大人になり、東京、バンコック、そしてインド、ネパール、スペインへとつづいている。そしてこれからも…。そう「風水写真家…」というのも悪くないな。

-------------

(追記)
辻占についてはこちらのサイトに詳細がありました。

|

« インド不思議絵 | トップページ | 東京散歩写真3(冬の空) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65972/2344078

この記事へのトラックバック一覧です: 風水について その三(風水散歩):

» 夜の上野公園 [外国人日記:インド人IT技術者Manish Prabhune(マニッシュ・プラブネ)]
今まで上野公園に訪れたのは昼か夕方ごろ。土曜日思ったより長い時間アメ横に過ごして普段と遅く20:30時上野公園にて夜のライトアップを見ました。動物達のイルミネーションは綺麗で3歳の娘は大喜びでした。何回上野公園に行ったことあるけど今回はちょっと違う時間帯に... [続きを読む]

受信: 2005.05.02 19:44

« インド不思議絵 | トップページ | 東京散歩写真3(冬の空) »